スライディング小話『皆で楽しくスパイ活動!』前編 「さあ。どうしよう。」 「う。ど、どうしようと言われましても……。」 現在、ラルド・ガーネ・ラピス・ジスト・リィファ・ルミナは、 ハイラル上の牢屋の中に放り込まれている。 「困りますねぇ。鍵はしっかり掛けられてしまっていますし……。」 「大体!ラルドがライトに突っ込んだのとジストがツボ割ったりするから捕まったんだろ!?」 どうしてくれるんだよ!とガーネが初歩的ミスをした2人を怒鳴る。 「ま、まあまあガーネ。怒ったらかわいい顔が台無しですよ?」 「殺すぞラピス。」 包丁の勇者、裏ガーネ降★臨。 「落ち着いてガーネ!ここでラピスを殺したらきついよ!精神的に!」 包丁をふり上げてラピスに狙いを定めているガーネをラルドが必死でおさえる。 「ほら!ここに穴があるよ!もしかしたら出口に繋がってるかも!」 そこにあったのはぽっかりと口を開けた大きめの穴。 「罠だな。」 「罠ですね。下に剣山あったら困るんでラルドがはじめに降りてください。」 ニッコリと笑って酷いことを言うラピス。 「えー!ヤダよ!!何でいっつもラピスはガーネに言わないのさ!!」 「ふざけないでくださいね?貴様が怪我しようとどうでも良い事ですが、 ガーネが怪我したとなるとそれはもう大変です。 簡単に言うとあなたとガーネを同一視しないでくださいね。」 あくまで笑みを絶やさず。ラピスには逆らえない。 「じゃあ、そこで寝ている原因1のジストを落としたら?」 「いいな。よし。落とそう。」 光の巫女、リィファと闇の巫女ルミナはジストを穴まで運び……落とした。 ドッポーンと水音。 「ぎゃああああ!!ジストォーー!!」 ラルドが慌てて駆け寄る。しかしつんっと何かに躓き…… 『え。』 どんっと穴を覗いていた2人の巫女に衝突。そして―――穴の中へ。 「ぎゃあああああ!!ラルドのボケえええ!」 リィファか絶叫する。少ししてドッボーンと再び水音。 「わーお。ここまで来たら俺らも落ちなきゃな…と、言うわけで。逝けラピス。」 ドゴッと後ろから蹴りを入れラピスを穴に落とし、ガーネも穴に飛び込んだ。 ★ 「ああ…ガーネ。蹴り落とさなくてもいいじゃないですか。」 ぼたぼたと水を滴らせながらラピスが溜息をつく。 穴の中は細い通路が繋がっていた。 ガーネ、ラピス、ルミナ、リィファ、ラルド、ジストの順で通路を歩く。 少し進んだ場所の壁に、都合よく鍵の束がぶら下がっていた。 「お。鍵がこんな所に。」 先頭を歩いていたガーネが鍵を取る。 「ラッキー!これで外に出れる…」 「あ。ごめん。」 何かに躓いたジストがラルドに激突。 「イタっ!あ!ごめんっ!!」 ラルドがリィファに。 「きゃん!あ!ルミナごめっ!!」 リィファがルミナに 「いてっ!あ゛わりぃ!!」 ルミナがラピスに。 「わわわっ!!ガーネ!よけてくださ……っ!」 「へっ……って わーーー!!」 そしてラピスはガーネに。見事ドミノ倒しのごとく倒れた6人。 ガーネの手から、鍵の束が飛び、 ぽちゃん。 『あ"―――――!!!』 悲惨にも、鍵は音を立てて水の中に。ガーネ、ラピス、ルミナがさけぶ。 「ちょっとーーー!!!何やってんだよジストおおおおお!!」 「はは……。前途多難って、こういうの、言うんだよね……。」 リィファは力なく笑って、とほーっと肩を落とした 後編へ続く!