共演その2! 私と貴方と恋合戦!

「ねぇ。ベアは恋、してるの?」
「ブッな、何言ってんのニト!」
綺麗な青空の日。ニトのこの言葉で波乱の日となることになる。

2月14日。この日だけが、乙女達の戦闘な訳がない。
他の日でも、女の子は戦わなくてはいけないのだ。
そう、好きな男性のためあらば。
「だから、せっかく私達二人になってるの!今日は2人で好きな人に何か作りましょう!」
「いや、あたし好きな人いないかr「嘘つかなくていいから!」
いるんでしょう?とニトに念押しされてベアトリクスは白状した。
「―――います。好きな人います!でも―――。」
「でも?どうしたの?」
「あたし、あいつの好きなもの知らないわ。」
「―――まずはそこからね。」
ニトはふう。とため息をついてにっこりと笑った。
「で、誰が好きなの?」
「あ〜〜っ///好きとか言ってる時点でハズイっ!!何でそんな直球なのォ!?」
(あ。照れてる。恋する女の子だぁw)
顔を真っ赤にしてもはや暴走気味のベアトリクスを見て、ニトはくすりと笑った。

             ★

「まさか、ベアがカナデ君のこと好きだったなんてw」
「///言わないでえぇえ!!ニトもチェスターのこと大好きなくせに!!」
「な、何でそこでチェスターの名前出すの//////!?」
「おあいこよ///!もーあ!カナデみっけ!」
ベアトリクスがカナデの所に走っていく。その後をニトが追う。
カナデは公園のベンチに腰掛けてカイと宝を山分け(共演1参照)していた。
「やっほー!カナデッ!」
「……何?」
宝の山から目線をベアトリクスに向けるカナデ。
「あんた、何が好き?」
「金。」
「他。」
「女。」
(女!?)
いま、信じられないものを聞いたような気がした。
「……他。」
なんとかベアトリクスが流す。カナデは少し悩んで答えた。
「甘いもの。」
「うん。わかった!じゃね。」
早足でニトと2人でその場を離れる。
「うーん。恋する女の子だねえ。」
「?何言ってるの?」
カイが二人の後姿を見ながらくすくすと笑った。

             ★

「…緊張したぁ!もー心臓に悪いいぃ!」
「うん。私は別の意味で心臓に悪かったわ。」
広場までに避難した二人はベンチに腰掛けてはぁとため息をついた。
「次は、チェスターに今欲しいものを聞くのね。」
「う〜どうしよう……。緊張してきたぁ」
「あたしも頑張ったからニトも頑張りなよ!行こう!」
2人立ち上がってチェスターの元へ向かった。
「チェスター……。」
「ニト!と……ベアトリクス、か。」
「うわ。何そのオマケを見るような目。」
チェスターの表情にベアトリクスが顔をしかめる。
「えっとね、いま、何か欲しいものあるかなぁ?」
「え!えっとなあ・・・うん。お前がくれるものだったら何でも嬉しいぞ。オレは。」
チェスターは照れながら笑って言った。その顔を見てニトも、笑う。
「ぅぅ。。。何か居づらいわ。」
二人でほんわかムードを作ってる場面に出くわしているベアトリクスは
ニトに自分の姿を重ね、
あたしにはこんな恋愛できないわ。と呟いていた。

「よっし!カナデのためにケーキを作るわ!」
「じゃあ私は…手袋でも作ろうかしら。弓を使うと手を傷めやすいから皮の手袋を……。」
それぞれの作るものを決めた二人は、材料を急ぎ買い集め作業に取り掛かった。
その夜。
「出来たわね、ニト。」
「ええ。そっちもOKね?ベア。」
ベアトリクスはケーキ、ニトは手袋を綺麗にラッピングして、それぞれの想い人の元へ向かう。
「ニト。どうしたんだ。こんな遅くに呼び出したりして……」
「……何の用?」
広場では、カナデとチェスターが二人を待っていた。
「あっ…えっと///チェスター!これ…///」
「え?お、オレに・・・?」
チェスターはニトの手から恐る恐る綺麗にラッピングされた袋を受け取った。
「…開けてもいいか?」
「もちろん……あんまりうまく出来なかったんだけど…///」
顔を真っ赤にしながらチェスターが紙袋を開く。
入っていたのは、彼の服と同色の、皮の手袋だった。
「…すっげえ嬉しいよ。ありがとな、ニト///」
「///・・・うん。」
「………。」
見つめあう二人を眺めていたベアトリクスはカナデのほうを向く。
「……言っとくけど、僕にあんな真似はできないよ?」
「……期待はしてなかったわ…はい、どうぞ。」
苦笑いしながらカナデに箱を手渡す。
「…あけてもいi「家に帰って開けて///!!」
箱を開けようとするカナデを急ぎベアトリクスが止める。
「なんで。」
「あたしはあんたほど料理の才能がないのよっ///!!」
「いいよ。」
「あ"!バカ///!!」
ベアトリクスの静止も聞かずカナデは箱を開けた。
小さな苺のケーキ。カナデは一つ手に取りそのまま口に運ぶ。一つをゆっくり―――彼にとっては早めなのだろうが―――平らげる。
「美味しかったよ。ご馳走さまでした。」
普段表情を表さないカナデが、にこっと笑う。
「ぁ・・・は、はい!おそまつさまでしたっ///」
「ベア!もう、宿にもどろう?じゃあチェスター、カナデまた明日ね。」
2人はバタバタと脱兎のごとく走って、走って。宿屋に駆け込んだのだった。
「いや〜春だねえ♪」
「え?カイ。今は夏だよ?」
「いや、まず覗きは犯罪ですよね?」
草陰にはカイとシンとロンドが一部始終をしっかりと覗き見していたのだった。
「なぁ、カナデ。お前お返しどうするんだ?」
「・・・そうだね。ケーキでも作るよ。二人で食べるぐらいの、ね。」

幸せな夜を、貴方にお届けします。
貴方が好きな限り。