共演その0!〜プロローグ〜


『…………。』
うん。ここはテレジア。あたしはベアトリクス。
はい。ここはテレジア。私はニト。
『私(あたし)が二人いる!?』
朝起きて、着替えて扉を開ければあら不思議。
「貴方(あんた)だれ?」

………。

「あたしはベアトリクス。」
「私はニト。よろしくね。」
とりあえず自己紹介をする2人。
「ねぇニト。今、何が起こってんの?」
「わからないわ。……でも、私達がこんな事になってるってことは……」

『うわぁ!』

話し込んでいる傍からこの結果。
「シンの声だわ!私の仲間なの!もう一つはベアトリクスさんの……」
「ベアでいいよ。そう。あたしの下僕…じゃなかった仲間のロンドの声ね。」
2人はパタパタと悲鳴の元に走っていく。
「ハーイロンドバクガダンくーん何してんの?」
「ロンドです!な、何か僕を黒髪にしたような子が居るんですっ!」
さりげなく突っ込みつつロンドが現状報告する。
「シン!貴方もこんな事に……。」
「あ。ニト!……ってニトも二人いるよ!すごい!これがドッペルゲンガーって奴かな?」
シンがニコニコしながら言う。
「どっちが本物よ。私はベアトリクス。ニトとは別人よ。あんたはシンね。これはロンド。」
「髪色が違うだけが救いね……あ!」
「どうしたんですか?ニトさん。」
「色違いといえばもう1人!カイがいるわ!紅髪の!」
ニトが少しあわてたようにいう。それにベアトリクスが吹きだす。
「くっくく……うちにもいるよ。紅髪の、カナデが。」
「じゃあもういるんじゃないかな。ベアトリクス。案内して。」
「ベアでいいわよ。長いから。こっちよ。」
ベアトリクス・シン・ニト・ロンドの順でロンドorシンの部屋からでる。
そして向かった先には……

『ねぇ。ボクがいるんだけど何で?』

「怖い!そっくりすぎて怖い!」
ベアトリクスがにげる
「何か本当の双子みたいだなぁ。」
実の双子の兄、シンがあははそっくり〜と笑う。
「まあいいけどさぁ。1人より2人って言うし。」
「…そうだね。気も合うしねぇ。」
なんだか意気投合している2人。
「ベアとニトさんは性格も歩き方も纏ってるオーラも違うからわかりやすいですよね。」
「うん。そうだね。僕とロンドも髪の色違うしね。」
ロンドとシンは遠くに避難しながら自分達の違う点を探していた。
『ねぇ。ボクたちの違いは?』
もうほぼ同時にカイとカナデが呟く。
「えっとね。1カナデのほうは口をあけてから言葉を出すのに少し間がある。でもこれは時々無効になるね。2カナデよりカイの方が5センチぐらい身長が高い。」
「3カイ君は肌の色が健康的。カナデは病弱っぽいくらい白い。これ位しかないですよ。」
「へえそんだけなんだ。まあいいやカナデ。街に行ってみんな苛めてこよ。」
「…わかった。」
カイより少し小さいカナデが彼の横に小走りで行き、2人は姿を消した。
「街の人たちはどちらのことを覚えてるのかしら……」
「うん。忘れられてたら怖いよね……そっちさ、リオンとかいるわけ?」
「いるよ。そっか住んでる人まで一緒なんだ……」
「こうまで来るとどっちも覚えてるってことはなさそうですn『ただいまー。』
ロンドの言葉をさえぎってカナデとカイが帰ってきた。
「お帰り。どうだったの?」
「どうもこうも。」
「……何故か皆は両方の記憶がある。でもそれはカイ達の方が強い。」
「チェスターは『おわぁ!カイが2人…!いや、カナデが2人?だあああ!わけわかんねえええ!!』って言ってたよ。」
カイとカナデが外であった状況を淡々と説明する。
「じゃあ、両方の事は覚えているのね。良かったわ……ベアやロンドやカナデが傷つかなくて。」
ニトが心底ほっとしたように呟いた。
「ありがとうニト。」
「初めて会ったのに……そこまで心配してくれるんですね。ニトさんは。」
「…別にボク覚えてくれてない方が個人的に楽なんだけどね。」
「カナデ!あんたって奴はーー!!」
ベアトリクスがカナデを縛り上げる。
「イタイイタイ。離してよオニババ。」
「誰がオニババよ!」
「カイ。ニトとベア交換しない?」
「やだよそんなオニババ。」

・・・・・・・・・。

このときその場にいたカイとカナデ意外はこう思った。
この2人は一緒にいて欲しくないな。と。
心の底から……